SOUNDTRACK REVIEW

MINORITY REPORT
マイノリティ・リポート

DIRECTED BY STEVEN SPIELBERG/TOM CRUISE,COLIN FARRELL,SAMANTHA MORTON,MAX VON SYDOW

MUSIC COMPOSED AND CONDUCTED BY JOHN WILLIAMS
DREAMWORKS/0044-50385-2

 フィリップ・K・ディック原作のSF『マイノリティ・リポート』(早川SF文庫:同題短編集収録。ちなみに『トータル・リコール』の原作も含む)をスピルバーグが映画化した。予知能力者によって殺人犯は殺人を犯す前に逮捕されてしまうという未来社会で、警察の主人公は殺人を犯すと判断されて追われる身に。タイトルは《少数意見の報告》といった意味で、原作では主人公が殺人を犯さない未来が報告されていた。果たして映画では?
 さて、スコアはもちろん盟友ウィリアムズ。SFとはいえ久々のミステリー作品である。このところ煌びやかで万人向けの音楽が続いただけに期待は高まる。ミクロス・ローシャのサスペンスのような感じもする1曲目(多分エンドクレジット)は中盤で静かながらもどこか聞き覚えのある優しげなメインテーマに変わり、「いつものウィリアムズか」と思わせる。が、その後は『ジョーズ』や『未知との遭遇』の頃に戻ったようなシャープさが顔を出す。かと思えば『スター・ウォーズ エピソード2』と同じようなパーカッション(タムタム)の使い方があまりにもあからさまで苦笑。ジャワズが現れて失笑。問題も多いが、あまり分厚くないオーケストレーションで聴かせるかつてのサスペンススコアの流れで、懐かしささえ覚える。ただ、73分は長すぎる。
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