SOUNDTRACK REVIEW
ホワイトアウト
DIRECTED BY 若松節朗／織田祐二、松嶋菜々子、石黒賢、佐藤浩市
MUSIC COMPOSED BY
住友紀人
ビクター／VICL-60599
真保祐一の冒険小説を本人自ら脚本を書いて映画化した、雪山のダム版『ダイハード』。スコアはジャズ／フュージョンの分野で海外での活動が多い住友紀人。なぜか『ジュブナイル』同様にサックス奏者である。小編成オケに打ち込みを大胆に加えた音楽で、テクノの影響がかなりみられる。世代的には私と同じなのでダイレクトにＹＭＯ世代ということになるが、今風テクノの機械的な音とリズムがどこまで冒険小説にあうか興味はある。メインテーマとなるメロディ、特にラストでアレンジされて流れるヴァージョンは悲壮感と勇壮感をどちらも漂わせている。トレヴァー・ジョーンズの『G.I.ジェーン』を思い起こしてしまった。ヒロインの美しいテーマ、加えてテロリストのモチーフとも言うべき中近東風のテーマがテロ＝中近東というイメージは短絡的かもしれないが、いかにもそれらしく聞こえてよい。ジマー一派とはまた違ったオケと打ち込みの饗宴がここにはある。聴く価値あり。
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