SEVEN YEARS IN TIBET

SEVEN YEARS IN TIBET
セブン・イヤーズ・イン・チベット

DIRECTED BY JEAN-JACQUES ANNAUD/BRAD PITT,MAKO

MUSIC COMPOSED AND CONDUCTED BY JOHN WILLIAMS
MANDALAY/SK-60271

　『薔薇の名前』のジャン・ジャック・アノー監督、ブラッド・ピット主演の話題作にウィリアムズが音楽をつけるとなると注目しない訳にはいかない。しかも、チェロソリストにあのヨーヨー・マである。
　さて自然をテーマにしたアノー監督の作品というと傑作『小熊物語』があり、あのフィリップ・サルドの重厚でもの悲しい音楽も素晴らしかった。今回のウィリアムズの音楽は第２次大戦中のチベット、ダライ・ラマ、そして主人公の自己の再確認という重く複雑なテーマを充分に描ききっている。『シンドラーのリスト』ほど深刻ではないが、雄大な自然と人間をオケとチェロで対比させるようなメインテーマはとりわけ印象深い。ヨーヨー・マのチェロもさすがに文句なし。少し心配していたおかしな東洋趣味はなく、チベットを的確に描いている点も高く評価できる。ここ数作のウィリアムズは何というか隙がない。ゴールドスミスと並んで御大ふたりは老いてなお盛んである。映画が楽しみだ。

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