THE THIN RED LINE

THE THIN RED LINE
シン・レッド・ライン

DIRECTED BY TRENCE MALICK/SEAN PENN,NICK NOLTE,GEORGE CLOONEY,JOHN CUSACK

MUSIC COMPOSED BY HANS ZIMMER
RCA/09026-63382-2

　テレンス・マリック監督の２０年ぶりの新作として注目されている太平洋戦争物である。舞台はガダルカナル。つまり、敵は日本国である。スコアはハンス・ジマーだが、お得意の爆裂スコアを期待してはいけない。これは肝に銘じておく事。マリック映画がハリウッド的な派手さが似合う訳もないのだ。ジマー組のジョン・パウエルも一曲書いているが、これも忘れる事。かなりシビアな内容なのは予想できるが、ジョン・ウィリアムズの『プライベート・ライアン』同様に戦闘シーンのスコアはないも同然。ラストを感動的に歌い上げたウィリアムズよりも、さらに控えめ。何より驚くのは、ジマーという作曲家はこれまでリズムを主体にしてスコアを書いてきたはずだが、それがない事だ。まるでクリストファー・ヤングのように物悲しく流れるメロディの繰り返しが主体になっているのだ。これはジマーの変化なのか、それとも本作だけのアプローチなのか。これまでのジマーのスコアとは一線を画すアンダースコアに徹したスコアである。

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