SOUNDTRACK REVIEW

CONSPIRACY THEORY
陰謀のセオリー

DIRECTED BY RICHARD DONNER/MEL GIBSON,JULIA ROBERTS,PATRICK STEWART

MUSIC COMPOSED AND CONDUCTED BY CARTER BURWELL
TVT SOUNDTRAX/TVT-8130-2

 このコーナー初登場になるカーター・バーウェルは『ロブ・ロイ』や『ファーゴ』などを担当していた作曲家で、地味めな作風の作品が多かった。今回、メル・ギブソンとリチャード・ドナーのコンビのサスペンスと聞いて不安と期待がないまぜになったが、杞憂だったようだ。予想以上にバーウェルは器用であり、上手い作曲家だという事がわかった。フル・オーケストラにギター、シンセ、パーカッションを入れた編成で、スパイ映画風のブルージーなテーマを鳴らし、都会的なラブ・テーマもそつなくこなし、サスペンス描写も予想外に骨太で緊張感を漂わせている。パーカッションの使い方もおもしろい。ゴールドスミスにジマーとシルヴェストリを足して3で割ったような……というと褒めすぎか。いずれにせよ、今後色々なジャンルに挑戦して欲しい作曲家だ。
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