SOUNDTRACK REVIEW
STAR TREK NEMESIS
ネメシス／Ｓ．Ｔ．Ｘ

DIRECTED BY STUART BAIRD/PATRICK STEWART,JONATHAN FRAKES,BRENT SPINER

MUSIC COMPOSED AND CONDUCTED BY JERRY GOLDSMITH
VARESE SARABANDE/302-066-412-2
2002/11

　息の長い人気を誇るシリーズ最新作にしてＴＮＧの最終作。今回はピカード艦長のクローンであるロミュラン執政官シンゾンが連邦に攻撃を仕掛けてくる。スコアはＳＴ映画版全１０作の内、５作を担当するジェリー・ゴールドスミス。今回はこれまでのシリーズになくシンセが多い印象。ちょっと『グリード』を思わせるスコアさえある。敵シンゾンにつけられたモチーフは単純ながらなかなか不気味で攻撃的だ。バリエーションが内面描写にも使われており、相変わらず上手い。もちろんアクションスコア以外でも聞き所は多く、特に劇中でも使用された"BLUE SKIES"を取り入れたラストは素晴らしい。それにしても映画版テーマがあまり聞こえてこないのは意外だ。それとクリンゴンテーマはなし。ウォーフの出番はない。いずれにせよ、これを書いたのが病気療養中の齢７３の爺さんだと信じられる人はいないだろう。ますますパワフルかつ余計な物を削ぎ落としてシンプルになっている。これは映画音楽のひとつの境地ではないか。オーケストレイターとしてマーク・マッケンジーの他にジョン・ウィリアムズなどを手がけるコンラッド・ポープのふたり。オケはハリウッド・スタジオ・シンフォニー。VARESE SARABANDEが慣例を破ってジャケ背の色をジャケットイメージに合わせてグリーンにしているのが印象的。気合い入ってる？　しかし、映画のエンドクレジットはもの凄いツギハギで、せっかくの出来をぶち壊している。
  1. jumus：待ちに待ったJGの新作。何度も現れるモチーフは素晴らしくアクション音楽に統一感を与えている。＃７で聴かれるテーマは’A new ending’でようやくフルコーラスで聴かれるが、やはり素晴らしい。Blue Skiesはデータの好きな曲ということなのだろうか。圧倒的なパワーが炸裂するスコアもリリカルなスコアも共に大満足。自分の好みではTMP、Nemesis, Final Frontier, First Contact, Insurrectionの順番かな。ただテーマは叛乱が一番好きなのだけど。演奏も素晴らしくよい。ただ最後の’A new Ending’の致命的にひどいつなぎはなんだ？　つながっているのか？　ここだけ演奏も雑に聞こえ、このCDの残念なところ。さてコンサートではどの曲が演奏されるのかな。（2002/11/27）
  2. jumus：完璧なスコアリング。シンプルなモチーフの繰り返しと、無駄な音を完全にそぎ落とした編曲のおかげで、効果音と戦うことなく音楽が生きていた。Blue Skiesも効果的。エンド・クレジットは編集によって破壊されていた(;_;)（2002/12/15）
  3. ＳＯＷ：エンドクレジットの無茶苦茶なつなぎ方を考えると、サントラのラストはしょうがないかと思いました。（2003/02/18）
  4. ペンペン：映画を観てきました。とてもいいストーリーをこの音楽がしっかり支えています。ダークでスリリングで、ほんのちょっとコミカル。登場人物たちの心がにじみ出ていて、本当に人間味にあふれる音楽です。（2003/04/13）
  5. のりお：ゴールドスミスの近年の作品のなかでは、その衰えを最も感じさせるものでした。（2003/06/01）
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