SOUNDTRACK REVIEW
THE LORD OF THE RINGS:RETURN OF THE KING
ロード・オブ・ザ・リング／王の帰還

DIRECTED BY PETER JACKSON/ELIJAH WOOD,IAN McKELLEN,LIV TYLER,VIGGO MORTENSEN,SEAN ASTIN,CATE BLANCHETT,JOHN RHYS-DAVIS

MUSIC COMPOSED,ORCHESTRATED AND CONDUCTED BY HOWARD SHORE
REPRISE/48521-2
2003/11

　ついに完結する世紀の三部作。フルオケとコーラス、ソリストを大量に起用したショア渾身の一大シンフォニック・スペクタクルもついに完結。映画同様に戦闘シーンのスコアが多かった前作とは違い、戦闘が多いはずの今作のサントラには戦闘シーンのスコアがない。戦いが始まる前で寸止めという感じ。恐らく、前作と同じ色合いになるのを避けたためだろう。これまでのモチーフが複雑に絡み合う前半部はおもしろい。後半になると新たなモチーフも出て、ドラマが緊迫してくる。原作では前作で登場が先延ばしされたシェロブのシーンではサスペンス系のショアがいかんなく発揮される不気味なスコア。画面にあわせると怖そうだ。全体の約１／４を占めるのがすべてが終わってからのドラマというのは原作ファンには短いくらいだが、普通はこれでも長いくらいだろう。惜しみつつ、スコアは幕を閉じる。そして、ラストの主題歌はアニー・レノックス。静かなアコースティックギターのメロディが心地よく、まるでヴァグナーの《愛の死》のように印象的に終わる。オケはもちろんロンドン・フィル。
　しかし、これで終わったわけではない。出ると噂される完全版、そして、交響組曲。願わくば来日してのコンサートを祈りたい。

　今回も６種類のカードが入った通常盤（リーフレットは共通）の他にも限定版が出る。こちらにはショアを中心にまとめられた録音風景のドキュメンタリー、６分ものトリロジーの予告編、ボツになった主題歌が収録されたＤＶＤがつく。
燃え度：
燃えコメント：燃えを期待するがそれは完全版まで待て。
  1. たむ：ミナスティリスがやっぱ中心かな。TTTに比べると控えめだけどやっぱいいですね。感動の場面を思い出します。（2004/02/18）
  2. 怪人バルバリ博士：始まりの音楽を聴いて、映画館を間違えたと思ってしまった。音楽は文字通り烽火のところが燃える。（2004/03/13）
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