SOUNDTRACK REVIEW
THE LORD OF THE RINGS
THE TWO TOWERS
ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔

DIRECTED BY PETER JACKSON/ELIJAH WOOD,IAN McKELLEN,LIV TYLER,VIGGO MORTENSEN,SEAN ASTIN,CATE BLANCHETT,CHRISTOPHER LEE,JOHN RHYS-DAVIS

MUSIC COMPOSED,ORCHESTRATED AND CONDUCTED BY HOWARD SHORE
REPRISE/9-48408-2
2002/12

　待ちに待った『ロード・オブ・ザ・リング』の続編である。三手に分かれてしまった旅の仲間が前作以上の困難に直面し、大きな戦いの一つに決着がつく。スコアはフルオケに大規模なコーラスを加えた基本ラインは変わらず、旅の仲間・闇の勢力・ホビットなどのテーマは今回も様々なアレンジで顔を出す。さらにキャラが増えたために彼らにもテーマを与え、前作以上に複雑な模様を描き出しているのが大きな特徴。低音の木琴とパーカッションを使ったエント族のテーマが印象的。ほとんどホラーのようだが、不気味でユーモアのあるキャラをよくつかんでいる。おまけに木だし。１５曲目で聴かれるエルフのテーマのヴァリエーションには震えた。この辺りで繰り広げられる１万ものオークと三千の人間側の戦闘では種々のテーマをおりまぜて戦況を伝えている。前作以上にヴォーカルソリストを起用しているのも特徴的。５人をそれぞれのキャラに当てている。ラストは前作を想起させつつ、アレンジで力強さを出しているのが原作を知る者には感動的。全体的に前作は少ないテーマを丁寧なアレンジとパワーで表現していたが、今回はより複雑になった分、ややもすると散漫な印象を受けるかもしれない。モチーフで組み立てる作品の宿命かもしれないが、この仕事は凄い。これだけのモチーフを使いながら統一感を持たせるのは並大抵ではない。オケも同じくロンドン・フィルハーモニック。さすがに完璧な演奏だ。

　サントラアルバムは前回同様に主要キャラを使ったカードがどれかが入った通常盤（リーフレットはポスター柄で統一）、皮革コーティングの紙ジャケットの限定版（リーフレットはフロド）の２種類が出ており、上の写真は限定版の皮革表紙。限定版はリーフレットの仕様が豪華になっており、またＣＤレーベル面も異なっている。さらにＤＶＤの長尺盤用に作曲された１曲"FAREWELL TO LORIEN"がボーナスとして収録されている。ジャケットについては下記参照。今回のカードは裏表になっている。なお、日本には発送していないが、インターネットの公式サイト限定盤（限定版にカード全種など特典付き）もある。エンハンスド仕様でネットにつなげることでビデオなどが見られる。

通常ジャケット カード：アラゴルン、サム＆フロド、レゴラス、ギムリ、セオデン
アルウェン、ゴラム、ガンダルフ、木の髭＆メリー＆ピピン、エオウィン
  1. 海星梨：時に気高く、時に勇壮なローハンのテーマが燃えます。（早くも、「王の帰還」でのゴンドールのテーマが楽しみになって来ました）その他のテーマも見事にキャラクターに合っていると思います。ゴクリ（ゴラム）の歌なんかもイメージにぴったりです。前作に続き、ほとんどの曲目が原作の章題と同じなのには、原作に対する並々ならぬ敬意が感じられます。（2002/12/18） じま：1曲目から早々に魂を引き抜かれました。5曲目「旅の仲間」のアレンジ部など、地味な部分に深い愛情と巧みさを感じます。（2002/12/19）
  2. どくさい：オーケストラに凄みが増して、前作より重いトーンのサウンドにシビレました！リミテッド・エディションのリリースにも満足しております。（2003/01/11）
  3. mami：聞いているだけで様々なシーンが目に浮かんできます。そして泣けてきます。戦の果てにあるものはなんだろう・・・。（2003/02/26）
  4. のりお：傑作。ただただそすばらしさに感嘆するのみ。（2003/06/01）
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