SOUNDTRACK REVIEW
POKEMON:THE FIRST MOVIE
ポケットモンスター／ミュウツーの逆襲＆ピカチュウの夏休み
MUSIC COMPOSED BY
JOHN LOEFFLER,JOHN LISSAUER & MANNY CORALLO
KOCH/KOC-CD-8905
逆輸入サントラとでも言おうか。しかも、音楽は全部差し替えられてる。同じ映画でまったく違うスコアがつく事自体はそれほど珍しくないとはいえ、日米で音楽が異なり、それが両方ともサントラが発売されるという事は滅多にないだろう。
映画自体がポケモンにしては深刻な内容だったが、豪勢なオケによるスコアはなかなかに重厚で、真っ向勝負。ハリウッドのアクション大作映画（いや、音色でいうと大谷幸が近いか）だと言ってもわからないだろう。最後の３曲は『ピカチュウの夏休み』のスコアなので、いきなり明るくなるが、懐かしのワーナーアニメのようで、アメリカ人の感覚はやっぱりこれかと妙な納得をしてしまう。
対して日本版のサントラは宮崎慎二によるスコア。タイトルで同じシーンに流れる曲だろうと想像がつく。アメリカ版と比べてしまうと編成の小ささがわかってしまう（オーケストレイションの差かもしれない）し、１曲１曲が短かい。曲そのものは悪くないが、恐らく日米の違いはドラマに対する感覚だろう。重い内容に比した全体に重厚な（と言っても、ジュブナイル的な感覚で）アメリカ版。あくまでもポケモンである（＝お子さま向け）という感覚のアンバランスな日本版。なんせラストだけいきなり壮大なのはバランスがおかしい。また、日本版だとコメディリリーフのロケット団の間の抜けた曲はアメリカ版では結構真面目なスパイ物と言った感じだ。この辺りも違いがわかっておもしろい。
なお、日本版は『ミュウツーの誕生』という絵本とドラマがついている。これは後でＴＶ放映された際に付け加えられた前日譚。
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