SOUNDTRACK REVIEW
KULL THE CONQUEROR
ザ・コンクエスト

DIRECTED BY JOHN NICOLELLA/KEVIN SORBO,TIA CARRERE

MUSIC COMPOSED BY JOEL GOLDSMITH
VARESE SARABANDE/VSD-5862

　ゴールドスミスの息子ジョエル、ようやく２枚目のサントラが出た。これまで『ふたつの頭脳を持つ男』と『ＭＡＸ』、そしてエメリッヒ監督の『ムーン４４』があったが、サントラが出たのは『ムーン４４』のみ。ＴＶの仕事がメインなので劇場用映画はこれが恐らく４作目になる。物はＴＶシリーズ『ヘラクレスの冒険』で人気が出たケヴィン・ソルヴォ主演、コナン・シリーズの作者エドワード・Ｅ・ハワードの別シリーズ。製作のラファエラ・ラウレンティスはシュワルツェネッガーのコナンもやっており、ヒロイック・ファンタジーがよほど好きらしい。
　スコアはコーラスや太いホーンセクションなどそのポルデュリスのコナンをほうふつとさせる部分が数多く聴かれる。しかし、全体の印象が鋭いと感じられるのはさすがゴールドスミスの血を引いているというところか。意外だったのはロックサウンド。まるでハンス・ジマーのようなロックとオケの合体曲が幾つかあるのだ。それ以外にもドラムの使い方が少し違うように感じられる。ロックのリズムセクションのような感じもする。元々ロックやニューエイジミュージックもやっているだけにお手の物なのだろう。ファンタジーにつきものの異国情緒あふれる怪しい民族音楽もＯＫ。全体的には充分及第点をつけられる出来だが、こうしてこれまでの４作通してみるとジョエル自身の特徴といえるものがまだ見えてこない。このままでは当分"ゴールドスミスの息子”という肩書きは抜けそうもない。
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