SOUNDTRACK REVIEW
WORKS・I
MUSIC COMPOSED BY
久石譲
ポリドール/POCH-1652
久石譲の映画用作品をロンドン・フィルでやってしまおうという豪勢な企画。取り上げられるのは宮崎駿、大林宣彦、北野武の3監督の作品。3部作を予定し、第1弾となる今回は『風の谷のナウシカ』『水の旅人』『ソナチネ』『はるか、ノスタルジィ』『ふたり』『紅の豚』『あの夏、いちばん静かな海』の7作品。
これまでゲームやアニメの音楽を一流オケで演奏するという企画盤ではがっかりさせられる事が多かった。一番の理由はせっかくのオケだというのに力を発揮しきれていなかったからだ。大編成の、しかも一流オケなのに全くといっていいほどスケール感のない演奏が多かったのだ。オーケストレイションのまずさが原因だと思う。しかし、今回、久石は自ら担当し、その不安を解消している。ピアノ演奏はやはり本人。こうして同じ条件で聴いてみると、久石譲という作曲家の力をまざまざと見せつけられた。サントラでは小編成だった曲も本質を失わずにスケールアップしている点も見事。特に『ソナチネ』には鳥肌が立った。興味があるなら、迷わず買いである。 なお、WORKS・IIは『魔女の宅急便』『となりのトトロ』『Kids Return』『HANA-BI』『青春デンデケデン』『漂流教室』の6作、WORKS・IIIは『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』『パラサイト・イヴ』『タスマニア物語』『Wの悲劇』『早春物語』『アリオン』の7作の予定。
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