SOUNDTRACK REVIEW
イノセンス

DIRECTED BY 押井守

MUSIC COMPOSED BY 川井憲次
ビクターエンタテインメント/VICL-61294
2004/ 3

　すでに９年も前になる『攻殻機動隊』の続編。しかし、ストーリーは原作１巻目のエピソードを膨らませたもので、原作を知っていると混乱してしまった。映像やシーンに『ブレードランナー』を思わせる要素が多い。音楽はもちろん川井憲次。前作の謡をさらに大々的に発展させている。単にヴォーカルの人数を増やした（民謡歌い手７５人！）だけではなく、打ち込みのような太鼓の音色など生音なのかデジタルなのかわからない境界線のなさは映画にも通じる不安感がある。また、いつにも増して長文の本人による解説に詳しいが、一から勉強して本当に原盤まで作ってしまったというオルゴール曲は凄い。特に９曲目でいつの間にか変化しているのは劇中の心理状態を表しているようで怖さを感じる。その他の曲はスティールドラムでカーンボーンと叩いたような不安定な雰囲気を醸し出す曲が多い。得意のアクションは１曲。ジャズ曲や予告にも流れた"FOLLOW ME"も収録。聴きどころは９分にも及ぶクライマックスの１０曲目。謡と太鼓、打ち込みが渾然一体となったドラマティックな曲だ。
燃え度：
燃えコメント：アクション曲はいつもの感じだが、謡の高揚感は一種の燃えかも。
  1. み〜ど：８，９曲目のオルゴールの曲は、映画中ではすべて“回転”する場面で、なるほどでした。８の深い残響の付いた音で奏でられる不穏なメロディや、９のズレてうねり渦巻く様は巻き込まれそうで、たまりません。１曲目ラストの「怨恨みて〜（シュワーン）散〜る〜♪」の「必殺！」な感じもいいです。（2004/03/14）
  2. ピブリ太：前作より派手になってるけど、その分孤独も深い。なんちて。（2004/05/14）
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