SOUNDTRACK REVIEW

ハウルの動く城
イメージ交響組曲

DIRECTED BY 宮崎駿

MUSIC COMPOSED BY 久石譲
徳間ジャパン/TKCA-72620
2004/ 1

 ひねりの利いたファンタジー/児童文学を書く作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの原作『魔法使いハウルと火の悪魔』を世界の宮崎がアニメ化。どう脚色するのか楽しみである。音楽はもちろん久石譲で、今回はいつも通りにサントラの前に製作されるイメージアルバム。しかし、ちょっと違うのは交響組曲ということで、ドヴォルザーク・ホールで録音したチェコ・フィル演奏、マリオ・クレメンス指揮の音源をアビーロード・スタジオでミキシングとハリウッド並みの製作態勢になっていること。しかも、久石のライナーノートに「10年前にはアシスタントだったサイモン氏という方」とあるのでまさかと思ったが、やっぱりミキシング・エンジニアはサイモン・ローズ。そのライナーノートにもあるように、今回はオケのみでシンセもそれ以外の楽器も廃しているのが特徴。サイモン・ローズの影響はないだろうが、『ハリポタ』っぽい感じもする。が、メロディやこまかなところはやっぱり久石節。違うんだけど、どこか懐かしい。その上にヨーロッパ的な上品さ(悪く言えば古めかしさ)がミックス。サントラに要求されるキレ(動きのメリハリ)がないのは確かに交響組曲であるからだろう。これまでのイメージアルバムとは確かに違う作りになっている。どう変わるのか、サントラに期待したい。
燃え度
燃えコメント:燃えと言うよりはオケのダイナミズムを感じた曲が少しあり。
   戻る