SOUNDTRACK REVIEW
ゴジラ×メガギラス Ｇ消滅作戦
DIRECTED BY 手塚昌明/田中美里,伊武雅刀,星由里子
MUSIC COMPOSED AND CONDUCTED BY
大島ミチル
ビクターエンタテインメント/VICL-60613
またも設定を振り出しに戻した新ゴジラ。今回は最初の襲撃で東京は壊滅し、首都が大阪になっている世界。実験の副産物で生まれたメガニューラの巨大化したメガギラスと人類の三つ巴の戦いを描く。
スコアはゴジラ初登場の大島ミチル。ゴジラ一作目を再現するオープニングから腰が抜けるほど重厚かつパワフル。伊福部のテーマを思わせながら、確実に違うメロディが非常に新鮮だ。人類側の戦いを描くシーンは戦隊物並みの格好良さ。前作の服部氏と比べたら、こちらの方が男性作曲家ではないかというほど燃え度高し。メガニューラはハーマンばりの引き裂くような弦で表現し、メガギラスはメガニューラのイメージを残しつつ、弦で低音を加えてモンスターのサウンドと化している。しかも、最後の戦いに近づくにつれてテンションは上がる一方。終盤１９〜２５曲の息もつけないパワーはなんだ？ とにかく分厚い。熱い。伊福部以外の今までのゴジラになかったものがすべてある。怪獣映画のＢＧＭとはこうでなければいけない。大谷『ガメラ』と共に新たな怪獣映画の規範となるべきスコアである。燃えるスコアマニアは必携！ でも、『ショムニ』にテーマそっくりの曲があったのには笑った(^_^;)
それにしてもこれほどのスコアを書いているにもかかわらず、最後に伊福部のテーマをつけ足すとはどういう事だ？ 今さらそんなおまけを付けても意味はないぞ。しかも本編に流すとは。いつまでたっても進歩ないのね。
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