SOUNDTRACK REVIEW
GLADIATOR
グラディエーター

DIRECTED BY RIDLEY SCOTT/RUSSELL CROWE,JOAQUIN PHOENIX,OLIVER REED,RICHARD HARRIS

MUSIC COMPOSED BY HANS ZIMMER
DECCA/289-467-094-2

　リドリー・スコット監督による帝政ローマの拳闘士の復讐物語。ジャケットには"DEAD CAN DANCE"のリサ・ジェラルド（『インサイダー』でスコア担当）との共作のように書かれているが、実際にはジマー単独の作品が多く、ジェラルドとの共作は１曲のみ。ジェラルド単独の作品が５曲となっている。
　さて、ジマーのスコアだが、正直言って失望した。何度も繰り返される盛り上がり部分がホルストの『惑星』の火星にあまりにも似ているのだ。ローマ・拳闘士ときて火星はないだろう？　確かにマルスはローマ神話で戦の女神だが、その意味で使ったのならクレジットに書くべきではないか？　さらにヴァグナーの有名曲もちらっと顔を出す。これらがジマーのスタイルとまったく違うために余計に耳につくのだ。また、そこに至るまでも従来の焼き直しばかりが耳に残り、ついに作品のテーマは聞こえてこなかった。文芸作品ならともかく、こういった作品で今まで耳に残るテーマを作ってきたジマーとは思えない。映画は好評のようだが、スコアがこれではいけないだろう。これまでで最低のジマー作品。
　MORE MUSICとして第２弾も出ている。
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