SOUNDTRACK REVIEW
ガメラ：大怪獣空中決戦
ガメラ２：レギオン襲来

DIDECTED BY 金子修介

MUSIC COMPOSED AND ORCHESTRATED BY 大谷幸
徳間ジャパンコミニュケーションズ・TKCA-70596/TKCA-70927

　とりあえずこれだけは書いておかねばならないと思っていたのが、この『ガメラ』である。拙作ガンダムＷのあとがきで書いたとおり、ガンダムＷを見るきっかけとなったのが、これだった。音楽担当が同じ大谷氏なのである。１作目で感じたとおり、大谷氏はゴールドスミスの大ファンで、２作目ではそれが如実に感じられた。『トータルリコール』へのオマージュかと思われるスコアが出動する自衛隊のバックに流れ、シンセやギターといった通常オケにはない楽器をふんだんに取り入れる。その姿勢や方法論はまさにゴールドスミス。しかも、それがお仕着せになっていない。さすがに長年ポップミュージックに携わってきただけはある。
　２作品の違いは１作目が各モチーフが比較的明確になっているのに対して、２作目はそれが明確になっていないという点である。ガメラのテーマはどちらにも使われているが、２作目の場合大々的に流れず、全体像はなかなか聞き取れない。どちらも敵怪獣のテーマは明確な物はなく、雰囲気や音色でそれとわかるように工夫してある。どちらも共通するのは映画の展開にあわせて作曲する、徹底したフィルム・スコアリングだ。そのため、昔の東宝特撮で聴かれる伊福部サウンドに慣れた観客には物足りないものがあるだろう。しかし、これが映画音楽なのである。
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