EVANGERION

エヴァンゲリオン交響楽

MUSIC COMPOSED BY 鷺巣詩郎
キング/KICA-390-1

　1997年７月６日から１４日まで５日にわたって公演されたエヴァンゲリオンに使われたＢＧＭ――クラシックとオリジナル双方を演奏したライヴレコーディングである。あまりにも好評なため、当初の３日間に追加二日を急遽増やしたというこの種のコンサートとしては異例のものとなった。エヴァ人気の凄さもさることながら、これを実現させた関係者の努力には頭が下がる。しかも、公演後、聴きに行った子供の保護者から「子供がこれほど興奮したのは初めてだ」と感謝の手紙が多く寄せられたという。子供の頃に良い音楽を聴かせるのに、アニメというジャンルの重要性が大きくなってきた事がうかがえる。
　さて、ＣＤは２枚組（しかし値段は１枚分）で、５日間のベストテイクを収めている。主要声優によるＭＣまでベストテイク。日によって出演者が違っているためだ。拍手までノーカット(^_^;)　実際のコンサートではオーケストラピットの上に映写幕を垂らして映像を映写したりしていたが、ＣＤではそれは見えない。その分、音楽に集中できる。新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏は素晴らしく、ライヴとしては申し分ない。しかも、公演終了の劇場側アナウンスまで収録(^_^;)　手抜きと見るか、演出と見るか……。オリジナル曲のオーケストレイションは鷺巣氏の他、『ジャイアントロボ』の天野正道氏、『モスラ２』の服部隆之氏、元クライズラー＆カンパニーの斉藤恒芳氏、篠原敬介氏と豪華な面子。それだけでも充分に聴く価値はある。個人的には天野氏による《戦闘組曲》が気に入っている。
　他に１１月には『スターウォーズ』のコンサートが行われたが、こういったコンサートがもっと行われる事を願う。オーケストラのコンサートが堅苦しい大人だけのものではないと言う単純な主張がもっと通じるのを願う。

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