SOUNDTRACK REVIEW
THE WORLD IS NOT ENOUGH
００７／ワールド・イズ・ノット・イナフ

DIRECTED BY MICHAEL APTED/PIERCE BROSNAN,SOPHIE MARCEAU,ROBERT CARLYLE,DENICE RICHARDS

MUSIC COMPOSED BY DAVID ARNOLD
MCA/088-112-101-2

　００７の新作は前作に続いてアーノルドの登板となった。今回は主題歌も自身の作曲で、歌うはGARBAGE。演歌のようだが、しっかり００７の主題歌らしいアレンジになっている。さて、スコアだが、前作は製作サイドからの要望もあったろうし、そう冒険もできなかったのだろうが、「ジョン・バリーを試してみた」という感じだった。今作はそのたががはずれてしまったため、やりたい放題である。元々、ポップス畑のアーノルドはテクノなどが得意である。『ゴジラ』の打ち込み多用はマンシーナのマネではなく、自身のスタイルでもある。今回はそれがさらに爆発している。静かな曲はともかく、アクションシーンになるとオケとタイマン張るようにテクノが炸裂する。前作の"BACKSEAT DRIVER"を考えてもらえればいい。あのノリがダメな人にとっては今作は問題作だろう。しかし、今の００７を表現するにはこれは正しい方法ではないだろうか。もちろん主題歌のメロディと００７のテーマをスコアに取り込む事も忘れてはいない。アーノルドによるしっとりとした挿入歌（だろう）"ONLY MYSELF TO BLAME"も収録。歌うはSCOTT WALKER。ＨＤＣＤ仕様。
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