SOUNDTRACK REVIEW
幽霊
退魔録
ユリョン／ザ・ソウルガーディアンズ退魔録

MUSIC COMPOSED BY LEE DONG JUN

『シュリ』で一躍映画音楽ファンにその名を知られるようになったイ・ドンジュンの、その前後の作品。
『幽霊（英題：Phantom, The Submarine）』は潜水艦物。日本を攻撃するかどうかと艦内で叛乱が起こるという『クリムゾン・タイド』のような映画。幽霊というのは乗員全員が死んだことになっているため。まるで『沈黙の艦隊』である。スコアはコーラスを多用し、ジマー的である。
『退魔録（英題：The Soul Guardians）』はオカルト・アクション。こちらは『ザ・ソウルガーディアンズ／退魔録』のタイトルでビデオが発売になっている。『シュリ』の前だけあって、オケもストリングスだけで、それにシンセがかぶさる形だ。その他３曲。
　この２作はどちらもジマー風というよりも、テクノ／ハウス系の音が主体になっている。『シュリ』も考えてみると、ハウス系のノイズが多用されていたスコアが多かった。恐らくそっち方面のバンドを組んでいたのだろう。

　イ・ドンジュンは1967年、釜山生まれ。子供の頃はクラシックを好んで聴いていたが、学生時代に友人たちとロックバンドを組んでいた。当時の仲間はプロになっているという。映画音楽デビューは1994年の『KUMIHO／千年愛』。ちなみに2000年1月に来日した演劇集団《NANTA》のオリジナル音楽も作曲している。ロックとクラシックというルーツから、ハンス・ジマーに似た感じになるのは、ある意味当然かもしれない。
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