SOUNDTRACK REVIEW
THE CELL
DIRECTED BY TARSEM SINGH/JENNIFER LOPEZ,VINCE VAUGHN
MUSIC COMPOSED AND CONDUCTED BY
HOWARD SHORE
NEW LINE/NLR-90032
『指輪物語』３部作の担当が決まったショアの新作。昏睡状態の連続殺人鬼の精神に潜り、被害者を救う手だてを探ろうとする精神科医の物語。モロッコの民族音楽ジャジューカ"JAJOUKA"（現代ジャズのオーネット・コールマンやウィリアム・バロウズ辺りがはまったと聞けばどんな感じがわかるだろうが、パイプとパーカッションによるトランスミュージックである）を加えた、ロンドン・シンフォニーによる精神世界絵巻という感じだろうか。クローネンバーグに通じる感覚に満たされている。違うのはもの哀しいメインテーマがない事くらいだろうか。その代わりに土着的なパーカッションがある。これを聞いて『指輪物語』のオファーが来たのだろうか。そうだとすれば正解かも知れない。その他はまごう事なくめくるめくショアの世界である。
最後にＣＤになっているジャジューカの曲がラジオエディット版で収録されている。これはイギリステクノのタルヴィン・シンがかんでいるのでテクノ調だが、ジャジューカの特徴は充分わかるだろう。
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