SOUNDTRACK REVIEW

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THE 13TH WARRIOR １３ウォーリアーズ DIRECTED BY JOHN McTIENAN/ANTONIO BANDERAS,OMAR SHARIF MUSIC COMPOSED AND CONDUCTED BY JERRY GOLDSMITH VARESE SARABANDE/VSD-6038

　早くもゴールドスミスの新作である。とは言え、実際には『ハムナプトラ』の前に録音していた作品で、公開が延びていたものである。いわくつきの作品で、マイケル・クライトンの『北人伝説』のマクティアナン監督による映画化なのだが、試写でもの凄い不評であったため、原作者が再編集・追加撮影分の監督を行い、音楽をグレアム・レヴェルから旧知のゴールドスミスに交代させ。ようやく公開にこぎつけたのである。
　物語は原作同様に中世アラブ世界から北欧のヴァイキング世界へと旅し、未知の敵と闘う羽目になるひとりのアラブ人の物語である。従って、ここで聴かれるスコアはアラブ音楽、北欧的な旋律、敵の不気味なパーカッションがからみ合うスペクタクルである。後の『ハムナプトラ』に近いものも感じられるが、こちらには無駄を省いたストイックなまでの抑揚がある。パーカッションはこれまでになく原始的であり、さらに男声による攻撃的かつ汗くさいコーラスもそれに拍車をかける。派手に鳴り響くのが史劇ではないという主張も感じられる。しかも、原作にはないロマンス色も添え、メロディメーカーとしての主張も充分以上にある。まさに『風とライオン』に匹敵する、ゴールドスミスによる男臭い史劇世界のダイナミックな描写を堪能できる傑作である。それにしてもここ数作の充実ぶりはどうしたことか。恐るべし。
燃え度：

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