MUSIC ARRANGED BY DAVID ARNOLD
EASTWEST/3984-20738-2
『インデペンデンス・デイ』のアーノルドが『007/ゴールデン・アイ』のオファーを蹴った頃から進めていた００７のテーマ曲をカバーするプロジェクト"THE DAVID ARNOLD JAMES BOND PROJECT"のアルバムがようやく発売された。自らギター、キーボード、パーカッションを演奏し、オケと共演するスタイルだ。さらに曲ごとに違うミュージシャンが加わる。残念ながら私が知っているのはイギー・ポップだけ。後はDAVID MCALMONT、AIMEE MANN、LEFTFIELD、PULPなどヴォーカリストとテクノ系の面子。個人的には東欧風な味付けがされた『ロシアより愛を込めて』と原曲をメドレーでつないでテクノアレンジした『女王陛下の００７』が気に入った。
これまでの４作ではいずれも正統派のシンフォニックなスコアを書いてきたアーノルドだが、他人の作品――しかもヴォーカル曲――を自分流に作り直す事でまたひとつ才能を見せつけた。カバーとしても楽しめるし、アーノルドの器用さとパワーも改めて実感できる。これを次作『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』でどう生かすかが楽しみだ。
ところでアルバムタイトルだが、ボンドが好きなマティーニに対する指示"SHAKEN NOT STIRRED「ステアーしないでシェイクしてくれ」なんですが、実は"SHAKEN NOT STIRRED"というコンピレーションがすでに出ているんですね。だから、タイトルを変えたんでしょう。しかし、シェイクしてステアーしたらどうなるんだ？ あまり変わらないか？
戻る
戻る